今日からマチュピチュに向かう。小学校4年生の時に、『少年サンデー』の企画で「行ってみたい国」のアンケートのようなものがあって、そこに私は「ムー帝国」と書き、勝手にマチュピチュもイースター島もムー帝国の一部だと主張した。
55年目にして、”行ってみたい国”でまだ未踏破のマチュピチュに行くのだ。ところがマチュピチュへの道はすごく遠かった、いや遠いと思えた。それはペルーのクスコに行くのに、エアーカナダでトロントに出て、そこからペルーのリマ、さらに別の国際線の航空機を乗り継ぐ。クスコからは列車に乗ってさあ!マチュピチュ村だ。
だが入り口の『エアーカナダ』で捕まった。カナダは、ここ数年の間に、『eTa 』という電子渡航許可登録をしていないと入国できないという。そんなぁ〜。急に言われて、頭が真っ白に。しかも英文、それもアリの死骸がピチッと並んでいるようで、全く頭に文字が入ってこない。第一老眼鏡を持ってこなかったから文字自体がよく判読できない。そうしているとカウンターの女性から、「日本語訳のガイドラインを読んで入力して下さい」と紙を渡してもらったのだが何だか要領を得ない。加えてもともとスマホの扱いには不慣れなうえ、文字が固まって見えて、焦るばかり。アー。
困ったところで、我々が座っていた席に一番近いビジネスの窓口の女性に訊いてみる。この人は私の30年来の親友の元カノ(元彼女)にそっくりだったので、彼女同様老人に優しい人ではと勝手に思い込んだのが大きな間違いだった。おそらく規定で教えてはいけない事になっているのかも知れないけれど、取り付く島がなかった。
家でパソコンからやるならどうにかなるだろうが、イキナリ言われてスマホからではなぁ。老人には難易度が高い。時間はドンドン過ぎていく。参ったなぁ〜と困っていると、そこへジャンヌダルクのようなK谷さんという綺麗な女性が現れた。彼女は後で分かったのだが、カウンターの一番離れたところからやってきて手伝ってくれたのだ。アー助かった。地獄で仏とはこのことだ。しかもスマホの文字入力を立ったまま、しかもビリーザキッドのように両手で撃ち込んでいる。すご〜❗️
便によっては.この申請ができずに、2〜3人は乗れないケースがあるという。ジャンヌダルクK谷さんは、老人2人が困っていたので、見るにみかねたのだろう、とにかくありがたかった。だがこれは波乱万丈漫遊記のホンの序章に過ぎなかった。
こんなことで時間を食ったせいで、夕飯を食べ損ねた。搭乗手続きを終えて出発ロビーの中に入ると、食べ物屋さんは札幌ラーメンとうどん屋ぐらい。結局『うららか』で「山かけうどん」とミニ親子丼を食べる。2018年〆の夕飯だった。稲庭うどんは喉越しが良かった。これで当分日本の味とはオサラバだ。